ページ分割 (Paginator)

Django はページ分割されたデータを管理するのに役立ついくつかのクラスを提供しています。これらのクラスは django/core/paginator.py にあります。

例については ページ分割 (Pagination) のトピックガイド を参照してください。

Paginator class

class Paginator(object_list, per_page, orphans=0, allow_empty_first_page=True, error_messages=None)[ソース]

Paginator(ページネーター)は len() の使用時、または直接イテレートしたときは Page のシーケンスのように動作します。

Paginator.object_list

必須です。リスト、タプル、QuerySet、または count() または __len__() メソッドを持つその他のスライス可能なオブジェクト。一貫したページ分割のためには、QuerySet は順序付けされるべきです。たとえば、order_by() 句を使用するか、モデル上のデフォルトの ordering で行います。

巨大な QuerySet のページ分割によるパフォーマンス上の問題

非常に多数のアイテムを持つ QuerySet を使用した場合、数の大きいページをリクエストしたときに、データベースによっては速度が低下する場合があります。これは、OFFSET 数を数えるために必要な LIMIT/OFFSET クエリの処理時間が、ページ数が増えるにつれて長くなってしまうためです。

Paginator.per_page

必須です。ページ上に含めるアイテムの最大数で、孤立アイテムは含みません(以下の orphans オプション引数を参照)。

Paginator.orphans

オプション。アイテム数が非常に少ない最終ページを作りたくない場合に使用します。もし最後のページに通常 orphans 以下の数のアイテムがある場合、それらのアイテムはそれだけで1ページに残すのではなく、前のページ(これが最後のページ)に追加されます。たとえば、23個のアイテムがあり、 per_page=10orphans=3 の場合、最初のページには10個のアイテムが表示され、2ページ目(最後のページ)には13個のアイテムが表示されます。 orphans のデフォルトは0です。つまり、ページが結合されることはなく、最後のページには1つのアイテムしか表示されないかもしれません。

Paginator.allow_empty_first_page

オプション。最初のページが空であることを許可するかどうか。 もし Falseobject_list が空の場合、 EmptyPage エラーが発生します。

Paginator.error_messages
New in Django 5.0.

error_messages 引数を指定すると、paginator がデフォルトで返すメッセージを上書きできます。オーバーライドしたいエラーメッセージにマッチするキーを持つ辞書を渡します。使用可能なエラーメッセージのキーは invalid_page, min_page, no_results です。

たとえば、デフォルトのエラーメッセージは以下のようなものです:

>>> from django.core.paginator import Paginator
>>> paginator = Paginator([1, 2, 3], 2)
>>> paginator.page(5)
Traceback (most recent call last):
  ...
EmptyPage: That page contains no results

そしてこれがカスタムエラーメッセージです:

>>> paginator = Paginator(
...     [1, 2, 3],
...     2,
...     error_messages={"no_results": "Page does not exist"},
... )
>>> paginator.page(5)
Traceback (most recent call last):
  ...
EmptyPage: Page does not exist

メソッド

Paginator.get_page(number)[ソース]

1から始まるインデックスをもつ Page オブジェクトを返します。このオブジェクトは、範囲外のページ数や無効なページ数もハンドリングします。

与えられた値が数字でなかった場合は、最初のページを返します。ページ数が負の数や全体のページ数より大きかった場合は、最後のページを返します。

Paginator(..., allow_empty_first_page=False) を指定し、 object_list が空の場合にのみ EmptyPage 例外を発生させます。

Paginator.page(number)[ソース]

1から始まるインデックスを持つ Page オブジェクトを返します。数値 numberint() を呼び出して整数に変換できない場合、 PageNotAnInteger を発生させます。指定されたページ番号が存在しない場合、 EmptyPage を発生させます。

Paginator.get_elided_page_range(number, *, on_each_side=3, on_ends=2)[ソース]

Paginator.page_range に似た1から始まるページ番号のリストを返しますが、 Paginator.num_pages が大きい場合は、現在のページ番号のどちらか一方または両方に省略記号を追加します。

現在のページ番号の両側に含めるページ数は on_each_side 引数で決まり、デフォルトは3です。

ページ範囲の最初と最後に含めるページ数は on_ends 引数で指定します。デフォルトは2です。

たとえば、on_each_sideon_ends をデフォルトの値で設定した場合、現在のページが10で50ページある場合、ページ範囲は [1, 2, '...', 7, 8, 9, 10, 11, 12, 13, '...', 49, 50] となります。これにより、現在のページの左側に7、8、9ページ、右側に11、12、13ページが、また、最初に1、2ページ、最後に49、50ページが表示されます。

指定されたページ番号が存在しない場合は InvalidPage を発生させます。

属性

Paginator.ELLIPSIS

get_elided_page_range() によって返されるページ範囲において、ページ番号の代わりに使用される翻訳可能な文字列です。デフォルトは '...' です。

Paginator.count[ソース]

全ページにわたるオブジェクトの総数。

注釈

オブジェクトリスト object_list に含まれるオブジェクトの数を決定する場合、 Paginator はまず object_list.count() を呼び出します。もし object_listcount() メソッドがなければ、 Paginatorlen(object_list) を使用します。これにより、 QuerySet などのオブジェクトは、より効率的な count() メソッドを使用できます。

Paginator.num_pages[ソース]

トータルのページ数

Paginator.page_range[ソース]

1から始まるページ数の範囲のイテレータです。たとえば、[1, 2, 3, 4] を生成します。

Page クラス

通常は Page オブジェクトを手動で構築することはありません。 Paginator をイテレートするか、 Paginator.page() を使ってオブジェクトを取得します。

class Page(object_list, number, paginator)[ソース]

1つのページは、len() を使ったり直接イテレーションした時、Page.object_list のシーケンスのように動作します。

メソッド

Page.has_next()[ソース]

次のページが存在する時、True を返します。

Page.has_previous()[ソース]

前のページが存在する時、True を返します。

Page.has_other_pages()[ソース]

次のページ または 前のページがある場合、 True を返します。

Page.next_page_number()[ソース]

次のページ数を返します。次のページが存在しないときは InvalidPage 例外を起こします。

Page.previous_page_number()[ソース]

前のページ数を返します。前のページが存在しないときは InvalidPage 例外を起こします。

Page.start_index()[ソース]

ページ上の最初のオブジェクトに対する、1から始まるインデックスを返します。これは、ページネータのリストに含まれる全オブジェクトに対するインデックスです。たとえば、5個のオブジェクトのリストを各ページ2オブジェクトでページ分割している場合、2ページ目の start_index()3 を返すでしょう。

Page.end_index()[ソース]

ページ上の最後のオブジェクトに対する、1から始まるインデックスを返します。これは、ページネータのリストに含まれる全オブジェクトに対するインデックスです。たとえば、5個のオブジェクトのリストを各ページ2オブジェクトでページ分割している場合、2ページ目の end_index()4 を返すでしょう。

属性

Page.object_list

当該のページに含まれるオブジェクトのリストです。

Page.number

1から数えた現在のページのページ数です。

Page.paginator

関連する Paginator オブジェクトです。

例外

exception InvalidPage[ソース]

pagenator に無効なページ数が渡された時に発生する例外のベースクラスです。

Paginator.page() メソッドは、リクエストされたページが無効 (つまり整数ではない) か、オブジェクトが含まれていない場合に例外を発生させます。通常、 InvalidPage 例外をキャッチすれば十分ですが、より詳細に例外をキャッチしたい場合は、以下のいずれかの例外をキャッチします:

exception PageNotAnInteger[ソース]

page() に整数でない値が与えられた時に発生します。

exception EmptyPage[ソース]

page() に有効な値が与えられているが、そのページにオブジェクトが存在しない場合に発生します。

どちらの例外も InvalidPage のサブクラスなので、 except InvalidPage で処理できます。

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