クラスベースビュー

ビューとは、リクエストを受け取り、レスポンスを返す呼び出し可能オブジェクトです。ビューは単なる関数以上のものにもなり得ます。Django ではビューとして使用できるいくつかのクラスを提供しており、これらを利用することで、ビューを構造化し、継承やミックスインを活用してコードを再利用できます。また、汎用ビュー(generic view)も用意されていますが、それについては後ほど説明します。あなたのユースケースに合った再利用可能なビューの構造を設計することもできます。詳細については、クラスベースビューのリファレンスドキュメント を参照してください。

基本的な例

Django は、さまざまなアプリケーションに広く適用できるベースビュークラスを用意しています。 View クラスを継承したすべてのビューは、指定した URL へのビューのリンクや、送り出す HTTP メソッド、その他よく使われる機能をハンドリングします。 RedirectView は HTTP リダイレクトを行うビュークラス、 TemplateView はベースビューを拡張してテンプレートレンダリングの機能をもたせたビュークラスです。

URLconfでの使用法

ジェネリックビューを使用する最もダイレクトな方法は、URLconf 内で直接オブジェクトを作成することです。クラスベースビューの属性をいくつか変更するだけなら、 as_view() のメソッド呼び出しに渡せばよいのです。

from django.urls import path
from django.views.generic import TemplateView

urlpatterns = [
    path("about/", TemplateView.as_view(template_name="about.html")),
]

as_view() に渡されたすべての引数は、クラスで設定された属性を上書きします。次の例では TemplateViewtemplate_name を設定しています。同様の上書きのパターンは、RedirectViewurl 属性でも使えます。

ジェネリックビューのサブクラス化

次に、ジェネリックビューのもっと強力な使用例として、既存のビューを継承して、新しい値やメソッドを提供するために、 template_name などの属性や get_context_data などのメソッドをサブクラスで上書きする方法を紹介します。たとえば、1つのテンプレート about.html だけを表示するビューを作ることを考えてみてください。Django には、このために利用できるジェネリックビュー TemplateView があるので、これをサブクラス化し、テンプレート名を上書きすることで実装できます。

# some_app/views.py
from django.views.generic import TemplateView


class AboutView(TemplateView):
    template_name = "about.html"

あとは、URLconf にこの新しいビューを追加する必要があります。 TemplateView は1つのクラスであって、関数ではありません。そのため、指定する URL に対して、代わりに as_view() クラスメソッドを設定しています。これによって、クラスベースビューに対する関数ライクな要素を指定できます。

# urls.py
from django.urls import path
from some_app.views import AboutView

urlpatterns = [
    path("about/", AboutView.as_view()),
]

組み込みの汎用ビューの使用方法の詳細については、次のトピック 汎用のクラスベースビュー を参照してください。

その他の HTTP メソッドをサポートする

誰かが私たちのライブラリに HTTP 経由でアクセスして、ビューを API として使用したいという状況を考えてください。API クライアントはたびたびコネクションを張り、最終訪問日時以降に出版された本のデータをダウンロードするとします。しかし、新しい本の情報が存在しない場合には、データベースから本のデータを取得し、レスポンステキストをレンダリングし、クライアントに送信し返すための CPU タイムとバンド幅は無駄になってしまいます。最新の本が出版された時点で API に問い合わせた方が好ましいかもしれません。

そのために、URLconf 内で、本のリストビューへの URL を次のようにマッピングします。

from django.urls import path
from books.views import BookListView

urlpatterns = [
    path("books/", BookListView.as_view()),
]

そして、ビューには次のように書きます。

from django.http import HttpResponse
from django.views.generic import ListView
from books.models import Book


class BookListView(ListView):
    model = Book

    def head(self, *args, **kwargs):
        last_book = self.get_queryset().latest("publication_date")
        response = HttpResponse(
            # RFC 1123 date format.
            headers={
                "Last-Modified": last_book.publication_date.strftime(
                    "%a, %d %b %Y %H:%M:%S GMT"
                )
            },
        )
        return response

ビューが GET リクエストからアクセスされた場合、レスポンスにはオブジェクトリストが返されます( book_list.html テンプレートを使用しています)。しかし、クライアントがHEADリクエストを発行した場合、レスポンスは空のボディを持ち、 Last-Modified ヘッダーは最新の書籍がいつ発行されたかを示します。この情報に基づいて、クライアントは完全なオブジェクトリストをダウンロードするかどうかを判断します。

非同期のクラスベース・ビュー

既に示した同期 (def) メソッドハンドラと同様に、 View サブクラスは await: を使用して非同期 (async def) メソッドハンドラを定義できます:

import asyncio
from django.http import HttpResponse
from django.views import View


class AsyncView(View):
    async def get(self, request, *args, **kwargs):
        # Perform io-blocking view logic using await, sleep for example.
        await asyncio.sleep(1)
        return HttpResponse("Hello async world!")

1つのビュークラス内では、すべてのユーザー定義メソッドハンドラは def を使用した同期的なものか、 async def を使用した非同期的なものでなければなりません。 defasync def が混在している場合、 as_view()ImproperlyConfigured 例外が発生します。

Django は自動的に非同期ビューを検出し、非同期コンテキストで実行します。Django の非同期サポートや、非同期ビューの最適な使い方については、 非同期サポート を参照してください。

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